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「再建築不可の建物の利活用」について2023.08.01

hearing(ご要望)
○ 夫婦で所有している再建築不可の建物の利活用について相談したいとのことでした

demand(状況)
○ 都内有数の商店街のある駅からは徒歩4分と、都心へのアクセスも良い立地です
○ 敷地は約70㎡あり、建蔽率80%、容積率300%の近隣商業地域です
○ 親が亡くなり相続で得た土地建物ですが、接道要件を満たしておらず建替えが不可の土地です
○ 現在、築50年の木造2階建ての二世帯長屋が建っており、土地建物の所有は相談者である60代後半のご夫妻で、30代の娘と3人で居住していますが、再建築不可のため今後この建物をどのように利活用していくべきか悩んでおります

proposal(提案)
○ 築50年のため、建物劣化具合を確認するために、外壁・屋根・躯体状況などの建物調査の実施をお勧めしました
○ リフォームをした場合の適正な賃料を確認するために市場調査の実施をご提案しました
○ マーケットに適した用途での大きさ、間取りの確認のご提案をしました
○ 外壁、屋根など外部も含めたリノベーション費用の算出をしました
○ リフォームを行い、将来的に賃貸に出した場合の収支計画の算出しました
○ 現在の再建築不可の土地建物のみを売却した場合の査定額の算出をしました
○ 当該敷地と接している、かつ道路に接道している複数の隣地土地建物の所有者状況の確認のご提案をしました

result(提案の結果)
○ 建物調査にて築年数は経っているものの、今までの適正な維持管理により、雨漏り状況はなく、かつ床・柱も水性性、垂直性は保持しており、躯体の状況も良いため、リフォームする価値がある建物であると判断していただきました
○ 市場調査にて、至近にある商店街、駅からの距離及び利便性の良さから、適切な間取りであれば賃料が確保できると判断していただきました
○ リフォームの費用と賃料から収支計画を作製し、8年で投資資本は回収できる収支であることがわかりました

 

 

結果と考察
初回面談では築年数から躯体が持たない可能性があることを相談者にはお伝えしましたが、建物調査により、躯体はまだ良好であると判断できました
とはいえ、木造の耐用年数は経過し過ぎているため、客観的にみて賃貸開始から10年以内に資本回収ができなければリフォームはしないほうが良いことも重ねてお伝えしました
結果として、親から相続した土地建物であり、思い入れもあるため、リフォームして住まい続ける方向で、現在、打ち合わせ中です
また、隣地所有者も単身で、将来的には売却を考えている話もある様子で、将来の購入も検討されています
購入できない場合には、賃貸として貸出しをすることを検討したいとのことです
今回は、「建物調査(インスペクション)」、「市場調査」、「リフォーム後の収支計画」の算出により、現在、そして将来の利活用法が見えた形となりました

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