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光熱費高騰の今こそ「住まいの断熱化」のチャンス!「お手軽リノベ」とは?2023.04.15

寒い家を暖かい家に変えるための大チャンス到来!
既存住宅の断熱改修推進の一環として、経産省・環境省による「先進的窓リノベ事業(住宅の断熱性能向上のための先進的設備導入促進事業等)」という既存住宅の窓の断熱改修に対する非常に手厚い補助事業が始まっています
実質的な補助率がとても高いこの制度の活用は、現在の住まいの寒さに悩んでいる方には、家を暖かく改修する大チャンスです
このチャンスにぜひ、お住まいの環境改善を図ると同時に、住まいを高断熱化することで高騰している冷暖房光熱費も削減していただければと思います

 

 

今回は、せっかくお得に窓を高断熱化するのならば、併せて行いたい比較的手頃で効果的なリノベーションについて説明します

築古の戸建も断熱フルリノベで高性能化が可能
その前にまず、本格的な断熱フルリノベーションの可能性について触れておきます
地価と新築住宅価格の上昇が続いていることから、新築を諦めて、断熱フルリノベを選択する方が増えています
たとえば築40年以上の住宅でも、建て直すよりは、リーズナブルな費用で、一般的な分譲住宅・注文住宅よりも遙かに高性能な家に生まれ変わらせることが可能です
しかしながら、このことを知らずに古い家だから仕方ないと諦めている方がまだまだ多いようです
より高性能な家を希望するのならば、断熱フルリノベを選択肢に加えてみることをお勧めします

新築するには予算が足りない方、今のお住まいに思い入れの強い方、再建築不可の住宅にお住まいの方、何か訳があり建て替えが難しい方には、このような断熱フルリノベは有力な選択肢だと思います
ただし、新築よりは安いとはいっても、やはりここまで高性能化を図るには、かなりの費用がかかります
また、住み続けながらの工事というわけにはいかないので、どうしても何ヵ月間に渡る仮住まいが必要になります

住みながら住まいを高性能化できるお勧めリノベ
今回は、断熱フルリノベまではできないけど、窓の高断熱化に加えて、住みながら可能な範囲で、もう少し高性能化を図りたいという方にお勧めのリノベ工事について説明します

お勧めリノベ① 窓の断熱リノベと併せて行いたい「玄関の高断熱化」
最初に取り組みたいのは、玄関の断熱リノベです。多くの日本の住まいは、玄関スペースが寒いですよね
これは、玄関扉の性能不足や、経年劣化による気密性の低下で、すきま風が入ってくることに起因しています
玄関ホールに面して、トイレや脱衣室・浴室がある間取りの家も多いと思いますが、トイレや脱衣室・浴室が寒い家は、ヒートショックリスクが高くなります
ヒートショックで毎年交通事故死者数の7倍以上の方が亡くなっています
玄関スペースに水回りが面している間取りの家は、玄関扉の断熱リノベをお勧めします
玄関扉のリノベの工事は1日で完了しますし、鍵を差し込む必要がなく防犯性能も高い、最新のスマートコントロールキーにも変えられるので、安心・便利な暮らしに変わります

 

 

お勧めリノベ② 「床の高断熱化」もコスパ抜群
窓・玄関の高断熱化にさらに加えるのならば、床の断熱がお勧めです
床の断熱性能が向上すると、冬の足下の寒さがだいぶ改善されます
床の断熱リノベは、既存の床材を撤去して床の上側から施工する方法以外に、床下に人が入れるスペースがある場合は床下から施工することも可能です
後者の場合は、家具の移動等も行わずに施工できるので、かなり手軽ですし、工事費用も比較的リーズナブルです

 

 

お勧めリノベ③ 床の断熱リノベの際には併せて施工したい「気流止め」、床の断熱リノベを行うのならば、併せて行いたいのが「気流止め」の施工です。日本の戸建住宅は、床下から入り込んだ外気がそのまま壁内を通って小屋裏まで流れ込むような構造になっているケースが多くなっています

この「気流」が室内の寒さ原因の一つになっています
一般的な住宅の場合、床下の空気の温度は外気温とほぼ同じです
その空気が壁内に入り込み、壁を通して室内の熱をどんどん奪ってしまいます
この気流の流れを止める施工のことを「気流止め」と言いますが、「気流止め」がないと、冬の室内が寒くなるだけでなく、カビや腐れ・シロアリ被害の原因になるため、要注意です
床下から侵入し壁内を流れる冷たい空気が、暖房されて暖かくなった壁を通るので、温度差により壁の中や壁の室内側の表面、壁近くの床の表面等で結露が発生します
結露は木材を腐らせたり、湿った環境を好むシロアリ被害のリスクが高まります
またカビ発生の要因にもなります
これらが生じると、当然、建物の耐震性能や居住者の健康にも悪影響を及ぼします。

 

 

お勧めリノベ④夏の暑さ対策にも有効な「天井断熱」
住宅の上部の断熱方法には、天井断熱と屋根断熱があります
これらの断熱は、冬の寒さ対策にも有効ですが、それ以上に夏の暑さ対策に有効です

新築の場合は、このどちらでもいいかと思いますが、既存住宅の断熱リノベの場合は、天井断熱の方が手軽です
天井の上側に断熱材を敷設もしくは吹き込むことで断熱性能を確保します

その際に注意したい点が2つあります。1つ目は「小屋裏換気」の確保です
屋根と天井の間の空間を小屋裏と言いますが、天井断熱を行うと、夏期には屋根が熱くなるため、小屋裏空間も60~70℃くらいまで温度が上がると言われています
この空気を換気しないと、湿気をたっぷり含んだ空気が夜に冷やされ、結露が生じる可能性があります
小屋裏の結露は、木材の腐食等を引き起こし、家の耐震性能や耐久性能に悪影響を及ぼします
そのことに留意して、小屋裏の換気方法について相談しましょう
もう一点は、前述の「気流止め」です
「気流止め」は床側だけでなく、天井側も施工することが望ましく、天井断熱を行うのならば、その際に併せて天井側の「気流止め」行いましょう

 

 

以上、住まいの断熱化の「お手軽リノベ」のお話しでした

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