「電気代が必ず高くなってしまう家」とは?2023.02.26
近年の円安やウクライナを取り巻く燃料問題などの影響で私たちの生活を圧迫することが増えています
特に光熱費の高騰はもっとも影響を受けているものの一つです
光熱費をできるだけ軽減するために暖房代や給湯代を節約した結果、基礎免疫力が低下して体調を崩してしまい、医療費の負担が増え、財布から出ていくお金は減るどころか、どんどん増えるなど本末転倒な事態が起きているそうです
そういった中、ほとんど光熱費の高騰の影響を受けないような家もあります
それは【高気密高断熱】で作られた家です
高気密高断熱の家とは外気が家の中に入らないようにきっちりと隙間をなくし、外壁に入っている断熱材の厚みや密度を高めている家のことを指します
『家の中から外に熱が逃げにくい構造』が大切です!
例えば、「断熱」を身にまとうセーター、「気密」をヒートテックのような発熱保温の機能を持つウェアだと思ってみてください
セーターの密度が濃く、分厚ければ分厚いほど温かそうです
しかし、裸に直接そのセーターを着て、外を歩くとどうでしょうか? 毛糸の隙間から冷気がどんどん入ってきて、寒くてたまりません
それに対してヒートテックを肌着として着込んで、その上からセーターを着るとどうでしょうか? ヒートテックで毛糸の隙間から入ってくる冷気を遮断しつつ、厚手のセーターを着ることで外気温が肌にまで届かず、体温を奪うことを防止します
これをそのまま家に当てはめてみましょう
家の外壁にヒートテックに類する「気密テープ」を貼り、その外側にセーターに類する密度の高くて分厚い「断熱材」を入れているというのが高気密高断熱のイメージです
現在の日本の木造住宅はほとんどが低気密低断熱です
こうした家屋が現在の光熱費高騰の波をもろにかぶっています
その一方で、10年ほど前から高気密高断熱化された家も普及され始めました
しかし、今の日本は玉石混淆といった状況で、正確な情報が世の中にまだ広がっているわけではありません
日本の住宅業界自体、この高気密高断熱という知識が浸透しきっていませんし、さらに世界的に見たら、日本の高気密高断熱のレベルがかなり低いのが現状です
家の断熱性は「UA値」という指標で示され、数字が小さいほど断熱性能が高いということを意味します
その基準値は地域によって異なり、全国は8つの地域に分けられており、埼玉県川口市は「6地域」に該当します
国土交通省が2013年に発表した資料によると、6地域の基準値は0.87です。それに対して、アメリカやフランスは半分以下の0.4程度ですので、日本における高断熱という基準は、アメリカやフランスからみたら中断熱程度しかありません
気密に関してはどうでしょうか?
実はほかの先進国には気密の基準値があるのですが、現在の日本では気密の基準値が撤廃されてなくなっています
省エネ基準がどんどん厳しくなっていったはずなのに、現在の日本では気密に対しての基準値がなぜかありません
気密性は「C値」という指標があり、床1㎡当たり何㎠の穴があるかを示す単位のため、こちらも数字が小さいほど気密性が高くなります
2002年まで国が制定していた基準値は太平洋沿岸で4程度、北海道で2でした
一方、ほかの先進国では基準があり、カナダでは0.9、スウェーデンでは0.6~0.7程度となっています
現在の日本では気密の基準値がないため、日本独自の基準で「高気密高断熱」とうたわれている家でも、世界的に見れば「低気密~中気密中断熱」の家が多いのが現状です
「HEART20のG2で設計をお願いします」と伝えましょう!
それでは、どうすれば他の先進国にも劣らない「高気密高断熱の家」を手に入れることができるのでしょうか?
「HEART20」という基準を採用するのが一つの方法です
「HEART20」にはG1とG2、G3という3つの基準があり、数字が大きいほうが外壁の断熱性能が高いことを示しています
もし東京でアメリカ並みの断熱性能を持たせようとしたら、「HEART20のG2で設計をお願いします」といえばいいでしょう
さらに「C値は最低限、1を切るようにお願いします」と付け加えれば、ほかの先進国でいう本来の「高気密高断熱」の家が手に入るはずです
少し専門的な話しになりましたが、残念ながらこれから家を建てる場合には、一般の人がこうした知識を持っていないと「高気密高断熱」の家は手に入りません
すでに建ててしまった家の場合、内窓を付けたり、断熱改修を行ったりすることで断熱性を高めることはできますが、残念ながら気密性は高めるのは難しいので、できるだけ早めに知っておくに越したことはないのです
ますます今後も光熱費が高騰していくことが予想される昨今、住まいに関する自分の武器となる情報をしっかりと活用していきましょう!
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