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大地震で建物(木造住宅)が倒壊した4つの理由2024.01.14

一見、同じような規模の地震でも、海溝型内陸型で被害は大きく変わってきます
写真左側は、阪神淡路大震災で倒壊した住宅の写真です
阪神淡路大震災は、内陸型の地震でしたので、住宅が倒壊して亡くなるケースがほとんどでした
右側の写真は、東日本大震災で津波による被害を受けた住宅です
東日本大震災は海溝型の地震です
津波で多くの方が亡くなられてしまいました

 

 

倒壊した建物の1つ目の共通点は、「壁の量の不足」によるものです
建築基準法では、建物の大きさによって、壁の量が決められています
この壁の量の変更があったのが、昭和56 年の建築基準法の改正でした
左の図をご覧ください
屋根の重さよって、必要な壁の量が変更されてきたのがわかると思います
この、壁量の変更を境に、昭和56 年5 月31 日以前に建てられた建物を「旧耐震基準」、昭和56 年6 月1 日以降に建てられた建物を、「新耐震基準」と呼んでいます
旧耐震基準で建てられた住宅は、右の写真のように、1階も2階も倒壊してしまうケースが多く見られました

2つ目の共通点は、「壁の配置バランスが悪かった」ということです
この配置については、今までの建築基準法では「つり合い良く配置する」としか、指示されていませんでした
通常、家は南側から光を取り入れるために、窓が多くなり、北側には、水回りが集中するので壁が多く設置されています
この時点でも、バランスが悪い状態なのに、リフォームなどで、部屋を広げるために、壁や柱を取ってしまうと、更に住宅の性能は低下してしまう訳です
この、壁の配置バランスについても、平成12年の改正時に、具体的な数字が明記されています。
左の図をご覧ください
建物には、重さの中心となる重心(じゅうしん)と、壁の強さの中心となる剛心(ごうしん)があります
この重心と剛心の距離が偏心距離(へんしんきょり)と言い、距離が離れていればいるほど、地震時の建物の揺れが大きくなります
この、偏心率を30%以内にすることとされました
右側の写真は、壁の配置バランスが悪く、倒壊してしまった住宅です
このような、1階だけが倒壊し、2階がそそまま落ちてくるような倒壊現象は、昭和56年6月1日以降の新耐震基準で建てられた住宅に多く見られます。
1階には隙間も出来ないほどなので、1階で寝ていた多くの方が亡くなりました

 

3つ目の共通点は、「接合部」によるものでした
戦後、住宅には、強度を保つために、「筋交い」というものが使われるようになりました
しかし、大地震の際などには、この筋交いが原因で、柱の足元が、土台から抜けてしまう現象(ホゾ抜け)が発生し、住宅を倒壊させてしまいました
このホゾ抜けを防ぐために、平成12年の建築基準法の改正では、基礎と土台と柱を一体にする金物の使用を推奨しています
阪神淡路大震災の際に、3階建ての住宅の倒壊は少なかったという事をお聞きになられた事があるかも知れませんが、3階建てには構造計算というものが必要で、このようなホゾ抜け防止の金物が使われていたからなのです

 

4つ目の共通点は、「木材が白蟻被害にあっていたり、腐っていたり」していた事です
このような現象は、水回りが集中する北側に多く見られます
木材の水分が多くなると、腐朽菌や、白蟻が発生しやすい環境になってしまいます
特に、白蟻の被害については、蟻道(ぎどう)(写真中央)が出ますが発見された場合は、早急に対処が必要となります

 

以上のように、住宅が倒壊してしまう原因はたった4つの事だけなのです
したがって、この4つの事項に注意することで、地震に強い住宅になるという事になります
しかし、ご自身でこれらの検査や確認をすることは、とても難しい事です
これらの検査を実施するのが、建築士や実務経験が豊かなプロということになり、これらの事象を検査することを耐震診断といいます

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