耐震と制震について2019.12.19
建物の地震対策について
お話したいと思います。
写真には耐震と制震を二つ並べていますが、
一般的によく言われているのが
耐震構造のほうではないでしょうか。
建物を固くして、
地震エネルギーに対抗するのが耐震構造です。
耐震構造の建物は、
その強度を上回る強い揺れがきた場合、
内部の構造が壊れて弱くなり、
揺れやすくなる可能性があります。
それに対して制震構造は
地震エネルギーを吸収するというつくり方です。
制震材などを利用して、
建物の揺れを吸収する方法です。
確かに揺れるんですが、壊れないということです。
繰り返す揺れにも有効なので、
建物の性能を維持して
損害から守るというところがポイントです。
とかく、
どちらかに偏った話しになるんですが、
私は耐震も制震もどちらも必要で、
つまり混合させたつくり方というものが
大事になってくると思います。
例えば、
地震がきたときに耐震構造は
ある程度までは建物を守ってくれます。
ただし、2階建ての建物の、
2階の柱の頭が10㎝横にずれてしまうと、
もう元に戻りません。
20㎝までずれると倒壊してしまう
ということになります。
1階部分がペシャンコになってしまうという、
とても危ないことになります。
また、制震構造は
揺れて元に戻るという力がありますので、
20㎝以上ずれると大破になって
建物として機能しなくなりますが、
倒壊はしないということです。
どちらも良いところと
悪いところがありますから、
耐震構造で耐震面材などで
建物が壊れないようにして地震から守り、
繰り返す地震の揺れには、
揺れて元に戻すという
制震構造で補ってあげるというのが、
設計の大事なところ
なんじゃないかと思います。
昨日、上棟させていただきました、
坂下町2丁目のS様邸です。
上でも述べさせていただいたように、
耐震も制震もどちらも必要で、
まさに両方を両立させたつくり方を
していきます。
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