社長コラム・知恵袋

住まいの湿気と健康2016.06.08

調湿の必要性を考える

住まいには必然的に湿気が発生します。例えば、人の体温は、食事という行為や酸素の摂取によって産出された熱エネルギーが体外へ放熱されることによって一定に保たれています。ところが、機械空調によって高温高湿や低温低湿になると、水分蒸発量が著しく変化し、人体の体温調節機能に影響が表れてしまうのです。従って「調湿」(湿度を調整する機能)は発汗を適度に促すため、また健康を保つという意味でも必要となります。また、結露を防ぐうえでも重要です。結露は、壁内や床下などの隠れた空間での湿気の移動によって生じ、カビの発生などにより木材を腐朽させます。調湿はモノの寿命にも影響します。特に湿度の変動幅が大きいと損傷が激しくなります。

 

 

 

 

 

 

 

 

屋内で発生する湿気

住宅内で発生する湿度はたくさんあります。炊事や石油、ガスなどの直接暖房によるもの、人体から出るもの、洗濯物などから出るもの、洗顔・入浴から出るものなどです。これらの水蒸気は、換気や窓ガラスなどで冷やされ凝縮し水流となって落ちます。また一部は壁や天井、床面から壁内、床下、小屋裏へと入り込みます。そこで露点温度以下になれば結露(内部結露)し、湿気となって外気に放出されます。 室内の水蒸気量を内壁材や天井材が透湿して、室内の湿度を自然に調整(適湿化)することがもっとも自然な室内環境をつくることになります。

 

 

 

 

 

 

 

 

内装壁の湿気と吸湿の関係

内装の仕上げが室内の温湿度の変動に伴い、どのように水分を壁の内部に伝えていくのでしょうか。それを考えることこそ、結露が壁の耐久性に与える影響を考える上で重要な課題となります。室温が上がると絶対湿度(室内側の水蒸気量)は上がります。そこで、間仕切り下地に吸湿性の高いものを使えば、通常の居住環境では壁の内側に問題となるような大きな相対湿度の変動は起こらないことになります。したがって室内から壁内部へ通っていく水蒸気を止めれば、壁内部が高湿度となることもなく、結露も生じたりしません。一方、戸外に面している外壁の場合は、水蒸気が動きやすい外周壁の状況をつくることが基本的な考え方となります。
現在、一般的に外装仕上げ材の裏側に使用されている透湿防水シートは、室内側から移動した湿度を外部に自然に排出する方法をとることができます。室内のみならず壁内部も快適な条件に保つことができます。