住まいの湿気と健康Ⅲ2016.06.10
内装壁の湿気と吸湿の関係
内装の仕上げが室内の温湿度の変動に伴い、どのように水分を壁の内部に伝えていくのか。それを考
えることこそ、結露が壁の耐久性に与える影響を考える上で重要な課題となります。室温が上がると絶
対湿度(室内側の水蒸気量)は上がりますが、その上がり方は窯業系内装ボードに比べ合板の方が大き
い。これは、室内の湿度が高い場合には、壁を通してその裏側に湿気が回りこみ、その水分を壁の内側
で吸収できなかったためです。つまり、間仕切り下地に吸湿性の高いものを使えば、通常の居住環境で
は壁の内側に問題となるような大きな相対湿度の変動は起こらないことになります。したがって室内か
ら壁内部へ通っていく水蒸気を止めれば、壁内部が高湿度となることもなく、結露も生じたりしませ
ん。一方、戸外に面している外壁の場合は、水蒸気が動きやすい外周壁の状況をつくることが基本的な
考え方となります。
現在、一般的に外装仕上げ材の裏側に使用されているフィルム防水シートは、単にこの部分で雨水や
湿気を物理的に止めるというもので、内と外の湿気を相対的かつ総合的に考えていない手段といえま
す。ただし、当社では防水性は確保しながら湿気は通す、「透湿防水シート」を使用しています。外壁
から浸透した湿度は、室内側から移動した湿度とともに外部に自然に排出する方法をとることができれ
ば、室内のみならず壁内部も快適な条件に保つことができます。よって、従来の石膏ボードにクロス貼
りといった定着工法に代わって透湿性の大きな材料で内装仕上げを行うことが必須条件なのです。
ご予算は少し上がってしまいますが、家の事を考えれば(壁内結露等)極力お勧めしていこうと思い
ます!
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