不易流行2010.09.02
『不易流行(ふえきりゅうこう)』という松尾芭蕉のものとされる言葉があります。
トレンドや変化を追ってフレキシブルに対応していくフローの部分が『流行』。
易々と変えるべきではない・易々とは変わらない蓄積=ストックの部分が『不易』です。
変わらぬ本質(不易)を守りながら変化(流行)を重ねていかなければ、
長く愛されるものは生まれない-芭蕉は俳句の究極として『不易流行』に行きついたといいます。
住まいも同じではないでしょうか。
長く蓄積されてきたローカルな技術やデザインに、新しい技術や感性を盛り込んでいく。
ベースとなる部分(スケルトン)は長く使えるようしっかり、そして飽きがこないようつくり、
変化に対応すべき部分(インフィル)はフレキシブルに変えていく。
こんな不易流行の家づくりが今求められていますし、工務店こそこんな家づくりの担い手だと考えます。
住まいにおける『不易』の部分としては、先ほど挙げたローカルなもの・ことがまずあります。
地域の技術や文化、そのベースとなってきた地域の気候風土や素材、これらを大事にしながら、
最新の技術や現代の感性を盛り込む。ローカルな技術を『科学』で解きほぐし普遍化する、合理化する。
これが『流行』のイメージです。住まいの『不易』=変わらないこととして、
暮らしの豊かさや家族で過ごす時間の楽しさ、安心、快適、健康も忘れてはいけないでしょう。
『いい家』の目的・ゴールはここにあるべきですし、
ここにつながらなければどんな優秀な技術を持っていてもそれは自己満足に過ぎません。
ただ、すべてを顧客に合わせる必要はありません。
自社として、自分として譲れない部分、
社会的な要求に応える部分=標準仕様は『不易』とし、
顧客にフレキシブルに合わせる『流行』の部分としっかり分ける、
これも家づくりにおける『不易流行』のひとつの考え方だと言えます。
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